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部屋に戻ると、御形と一穂が付いてきていた。
「一穂、俺、くたくただから、一穂の部屋で眠らせて」
直哉が、一穂の手を取って部屋を出て行った。俺と御形が、部屋に残されてしまった。
多分、俺達は恋人同士なのだろう。だから直哉も気を使ってくれた。
「御形…」
でも今は、とにかく眠い。早朝から動いていたことと、思った以上に別世界?への行き来が多く、気力を消耗してしまった。
「眠い」
俺が、ベッドに倒れ込むと、御形が横から抱き込んできた。
「寝てていい」
手が服の中に入ってくる。乳などない胸を触られても困るが、執拗に触ってくる。首に幾度もキスが来る。
この状態で眠れるのか?
「ごめん御形」
体の向きを変え、御形をベッドから蹴り落とした。でも懲りずに又、御形がベッドに潜り込んでいだ。
「黒井。いたずらしないから、このままで居させて」
何もしないのなら、居てもいい。
第四章 闇から見つめる瞳
霊能力者ならば、母親も祖母も、姉もそうだが、相談事は出来ない。
昨日の礼も兼ねて、玲二の部屋を訪ねようとしていると、阿久津家の三名が、改まって御形の家に来ていた。
多分、今度は愛斗も探して欲しいのだろう。これまでの経緯からすると、愛斗は自分から出て行ったのだ、自分から帰ろうとしなければ戻って来ないだろう。
バイクを走らせ、玲二の部屋に行くと、まだ玲二は寝ていた。
「玲二さん、朝食造りましょうか?」
洗濯物も溜まっている。ついつい洗濯機もまわし、朝食も作ってしまった。
朝食をテーブルに並べている頃、やっと玲二が起き上がり、身支度を整えた。
「うまそうだな」
「玲二さん、昨日は助かりました」
玲二はまだ半分が眠ってはいたが、朝食を食べていた。
「恭輔が助けてと煩かったからな、仕方なくだ」
でも、玲二が居なかったら海に落ちていたかもしれない。
「聞きたいことがあるのだろ。まず人形は、御形の方法で封印されている。真里谷だったっけ、彼は、もう、封印は解かないだろう」
解けないのではなく、解かないがポイントなのかもしれない。真里谷は、遊馬を助けるために人形を遠ざけていたのだ、人形に害が無くなれば、確かに封印は解かないだろう。
「玲二さん野菜も食べてください」
「やだ」
玲二、食べ物の好き嫌いが多い。箸で丁寧に、嫌いな野菜を選り分けて食べる。
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