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司祭「ライガってのは、要するに超小型の魔物だ」
「魔物? スラきちみたいな?」
そう言って魔法使いの彼女は、胸に抱いたスラきちを撫でた。
「ぴ?」
「ああ、イメージとしてはそれであってる、そいつらは魔物の体内では無害な存在だが、一度人間の体内に侵入すると、変身し、宿主の細胞を攻撃するようになる」
「zzz」
「戦士、話を聞けよ…全く。…ライガって、スラきちの中にもいるのか?」
「ああ、いる」
「え゛!」
魔法使いは胸に抱いたスラきちを手放した。スラきちが地面に転がる。
「ぴー!」
「まあ、ただ触れる分には問題ない、ライガ自体は空気中での生存能力は高くないからな、魔物の唾液や血液などを口から摂取するくらいじゃないと、魔物からの感染は起こりえない」
ぷりぷり怒るスラきちを無視して、司祭は言葉をつづけた。
「ではなぜ、人々はライガに苦しんでいるのでしょうか?」と僧侶は言う。
「それは、変身したライガだからだ」
「んー? 頭がこんがらがってきた」と魔法使い。
「人間の体内に入りこみ、増殖したライガ…便宜上ライガ2と呼ぶが、こいつは人間の呼吸と共に外に飛び出し、他人の体に入りこむことができる」
「…空気中での生存能力が高まるってわけか」
司祭「お、勇者の言った通りだ、いつまでも空気中を漂っているわけではないが、感染者を増やすには十分な時間だ」
「はいはい! 質問でありまーす! そのライガ2が魔物に感染したらどうなるの?」
「ライガ1に戻る」
「はい???」
「原理は一切不明だ、おそらく魔物の仲間意識に近いんじゃないか?」
「なんか……すごい違和感、そんな都合のいい生物っているの?」
「実際いるじゃないか」
「でもさ、その性質はライガが生きていく上でどんなメリットをもたらすわけ?」
「快適な宿主を守るための防衛行動とか、いくらでも理由は考えられるが……そんな言葉は、人間から見れば大半の魔物に当てはまるだろう」
「まぁそうなんだけどさー…」
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