第四章

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 魔法使いは何やら考え込んでいる。 「お兄様、そろそろ、私たちに教えていただけませんか?」と僧侶は言う 「おお、そうだった、横やりが入るもんだからつい長引いちまったな」 「勝手にしゃべりだしたのはお前だろうが」 「お? なんだ? お前らが何も知らないアホずらしてるから教えてやったんじゃないか」 「…ほほう、喧嘩ね、買うわよ、戦士が、さあ目覚めなさいあなたの出番よ」  魔法使いは傍らに寝むる戦士をペチペチ叩いた。 「ふが……なんだ? 飯か?」 「戦士、お前と戦うのはいつ以来だろうな? 人のありがたい話を前にぐうぐう眠りやがって」 「お? なんだ? 喧嘩か?」 「なんでこんな時だけ察しがいいんですか! 違いますよ! 旅立つ私たちに、お兄様がオルガの解毒魔法を教えてくれるって話だったじゃないですか!」  火花を散らす司祭と戦士の間に割って入り、僧侶が叫んだ。 「ああ、そうだったっけ?」と司祭と戦士 「もう!!ライガの感染対策はこれからの旅でも必須だ、だから俺と魔法使いも覚えたいって言ったのは勇者様ですよ、この場をなんとかおさめてくださいよ!」 「…ああ、悪かった…ちょっとドヤ顔の長話にイラッとしただけで…申し訳なかった」 「はは、勇者、まず歯を食いしばれ、話はそれからだぁああ!!!」
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