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「もう一つ、話しておこう、女神についてだ。そもそも、なぜ余が人間界に攻撃を仕掛けるかわかるか?女神…つまり神族の力は、人間の信仰心から得られるからだ」
「…!」
「魔族はな、鼻から人間界の支配など興味はないのだよ、神族の家畜のお前らを駆除し、力を弱めたところを叩く作戦なのさ」
「……」
家畜、その言葉が、いやに耳に残る。
家畜だから…助けてくれない?
家畜だから…こんな目にあっても、細々構っていられないってことか?
いや、だとしたらおかしいはずだ、いうなれば人間は食糧、それが今なくなろうとしているときに、神が干渉してこないのはおかしいではないか
「一つ言っておくが、神は干渉しているぞ」
勇者の思考を読み取ったかのように、魔王は言った。
「!」
「人間界が一つだけだとでも思ったのか?」
「……!?」
「より人口の多い世界では、神の使いである天使と魔物が熾烈な戦いを繰り広げている、この世界は、数ある人間界の中でもっとも小さい世界だ」
「……ッ」
「神はこの世界をとっくに見放しているのさ、だからこそ、余はここで人間界の研究が行えているわけでもあるがな」
「……」
「いかに自分が小さい存在か、わかったか?」
「……」
「さて、本題に入ろうか」
魔王はそういうと、片手を上げた。
うめき声を上げる肉団子が、魔物に運ばれ牢の前に並べられる。
「…っ」
魔王がパチンと指を鳴らすと肉団子が人間の形へと戻った。
皆ぐったりしている。
突然の苦痛からの解放、しかし、体は震え、うまくコントロールできないようだった。
そんな中で、最も長い期間肉団子として過ごしてきた女が、弱弱しく勇者を見、そして言った。
女「勇者…様……助げて…」
「っ」
「連れて行け」
魔王の命令を受け、魔物が五人を引きずっていく。
「勇者、一日待つ、明日、信仰を捨てていれば、あの者どもは生かしたまま元の村に返そう、約束する」
「……ッ」
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