30人が本棚に入れています
本棚に追加
「もし、信仰を捨てていなければ、五人はまた肉団子だ、そしてまた、貴様に恩のある者をさらい、ここに連れてくる、貴様が信仰を捨てるまで、何度でもだ。 わかったな?」
魔王はそれだけ言うと牢を後にした。
「……」
女神にとって
神にとって、俺たちは家畜……
だから、助けない
善人だとか、そういうのは関係ないと
ただ、信仰さえあれば……
だから、勇者なんて存在を作っただけであとは放置か
こんなに苦しいのに
あんなに努力したのに
女神を信じて
僧侶は心壊した
俺を解呪した神父は歪んだ
今、あの神父の言葉の意味がわかった気がした
女神様は無意味な試練を与えない
女神を信仰する者が、一番最初に教えられる言葉だ。
なぜなら女神は、人々を幸福にするために存在するから
だから……この先に、自分の行いの先にも幸福が待っていると……あの神父は、信じたのだ。
その気持ちもわからないではない。 神父が動くことで助かる命がある。
目の前で地獄の苦しみを味わっている人々を、神父の行いで救うことができるのだ。
俺も、同じ立場だったら、そうしたかもしれない。
だから神父は、自分の中の信仰を捨てることなく魔王に手を貸すことができた。
女神の慈悲の心を信じ、目の前で苦しむ人々を救ったのだ。
勇者は自嘲する
最初のコメントを投稿しよう!