第四章

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 この局面で魔王に手を貸すことが、この人間界にとってどれほどの損害になるか、わからぬ女神ではあるまい。  しかし、神父は神系魔法を使うことができた。  それがすべてだ  そう思った。  女神は、信仰さえ持っていれば、その人間の行いは問わない。  なぜか?  家畜だから。  勇者はくぐもった笑い声を上げる。  あの魔王より強い魔王があと12人?  あの魔王を倒しても、他の魔王が攻めてくる?  女神も助けてくれない  俺もこのざま、  もう……もう……  今の俺にできることって…  勇者は、明日、魔王の目の前で信仰を捨てようと、そう決めた。  俺の為に苦しんだ人々を救う  交渉次第でできるはずだ。  その後世界が滅ぼされては同じなのだろうが  少しでも、あの優しい人たちの苦痛を減らしてやりたい。  まだ自分にできることがあるとすれば、やはりあの神父と同様、それくらいしか思いつかなかった。    ??「勇者様……やっと……会えた…これで、みんな浮かばれるさ~」
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