25 抱擁-2

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お父さんの葬儀すらままならないほどの、苛烈な債務の取立てや、お母さんの医療費の工面。 途方に暮れるばかりで、どうすればいいのかすら分からなかったと、 だから、伯父さんの差し伸べてくれた救いの手に、一も二もなくすがったと、 それしかできなかったのだと、東悟は語った。 「これで、全部だ。もう、隠し事はないよ」 長い、長い告白の後、 東悟の顔に浮かんでいたのは、何かが吹っ切れたような、穏やかな微笑。 そんな顔を見ていたら、私の方も、何かが吹っ切れそうな気がした。 ――ううん、 吹っ切らなきゃ、いけないんだ。 ずうっと、心の中に降り積もり続けていた、東悟への恋心。 もう、底抜け寸前にまで積もりに積もったこの想いに、終止符を打つ。 そのためには、もうひと押し、決定打が必要だ。
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