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猫じゃらしに反射的に飛びつく、猫のごとく。
ほとんど、本能的とも言える制御不能な自分の動きに、とっちらかった脳細胞は、上手いフォローを入れてはくれない。
「え、あのっ、これは、その……課長の手が温かかったので、また、熱でもあるのかなぁと……」
しどろもどろに、口から飛び出したのは、一カ月以上も前の出来事。
いくらなんでも、脈絡が、なさすぎだろう、私。
「そうか? 別に、自覚は無いけど?」
「そうですか。そうですよね。それならよかったです」
あははは、と、
盛大に引きつった笑いを浮かべつつ、両手で掴んでいた課長の手をそっと放そうとしたら、今度は逆に掴まれてしまった。
そのまま、大きな両手で握りこまれ、全身ピキリと固まった。
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