25 抱擁-2

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まるで、両手と両手を握りあった恋人同士―― に、見えなくもないこの状況に、ただでさえ過負荷気味の脳細胞は、仕事を完全に放棄してしまった。 ――頭、真っ白だ。 何も、考えられない。 そうしている間にも、課長の顔が、近づいてくる。 ――う、うわぁ!? 「自分じゃ分からないから、測ってくれるか?」 「……え?」 測って……って、熱を? あ、なんだ、そういうことか。 『ん?』と、額を突き出す課長の瞳には、悪戯を思いついた子供のような、楽しげな笑みが浮かんでいる。 両手を封じられて額を出されたら、残る熱を測るための方法は、ただ一つしか浮かばない。 ――あ、遊ばれてる。 「前の時は、こうして測ってくれただろう?」 「え……?」
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