第3章:cace_H

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◆◇◆ 「ハヤト君と別れたの」 決行の夜から5日目の朝。いつもの食卓で、それぞれいつもの席に座り、いつもの報告会が開かれていた。 ただいつもと違うのは、なぜかヒナタの顔が僅かに赤らんでいるということ。 様子が違う妹に対し、兄も疑問をぶつける。 「実は他に気になる人ができて……ハヤト君には私から別れようって言ったんだ」 「えッ?!」 「ッ?!」 予想外の発表に2人は固まっている。 「その人もね、私のことが好きだって言ってくれたから付き合うことになったの。今度お兄ちゃん達に紹介するね」 満面の笑顔で「すごく格好良くてちょっとキョウスケお兄ちゃんに似てるかも」なんて嬉しそうに言うヒナタ。 かろうじて「そうか」と返事をしたものの、妹から誰かに好意を寄せて始まるという今までにないケースに兄2人は戸惑いを隠せなかった。
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