89人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
◆◇◆
「ハヤト君と別れたの」
決行の夜から5日目の朝。いつもの食卓で、それぞれいつもの席に座り、いつもの報告会が開かれていた。
ただいつもと違うのは、なぜかヒナタの顔が僅かに赤らんでいるということ。
様子が違う妹に対し、兄も疑問をぶつける。
「実は他に気になる人ができて……ハヤト君には私から別れようって言ったんだ」
「えッ?!」
「ッ?!」
予想外の発表に2人は固まっている。
「その人もね、私のことが好きだって言ってくれたから付き合うことになったの。今度お兄ちゃん達に紹介するね」
満面の笑顔で「すごく格好良くてちょっとキョウスケお兄ちゃんに似てるかも」なんて嬉しそうに言うヒナタ。
かろうじて「そうか」と返事をしたものの、妹から誰かに好意を寄せて始まるという今までにないケースに兄2人は戸惑いを隠せなかった。
最初のコメントを投稿しよう!