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「いや……何でもない」
「今度の彼氏、良い奴なのかな」
良い彼氏であればヒナタも傷つかずに済むし強行手段に出ることもなくなっていいと思う反面、今までそれによって繋がってきた兄との関係が解消されることを寂しくも思っていた。
「良い奴が来なければいいという口ぶりだな」
「あ、ヤ、そんなことないよ」
同じ目的を持つ同志ですらなくなれば、兄とは本当にただの兄弟に戻るしかなくなる。
むしろ、その方がこの感情も無くなって良いのかもしれないという気持ちもよぎり、アオイは自嘲気味に笑った。
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