たどり着いたのは見知らぬ土地

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その後も僕らは当たり障りのない会話をしていた。 そして後もう一駅で着くという所に、突然ソレは現れた。 ギュイィイイイイィ!!!! と、音を知覚したときには僕は慣性の力で床に尻餅をついてしまった。 唯一コウヤだけはつり革にアクロバティックに捕まり、美奈子を助けていた。 周りの人はパニック状態。 それもそのはず。 急にブレーキが踏まれたかと思えば外の景色が代わり果てていたのだから。 「あ、ありがとう、コウヤく........ん。........な、何これ?」 美奈子が軽いパニック状態になりながら 僕らに問いかけてくる。 僕も正直何が何だか分かっていない。 「少なくとも俺らの使ってる路線にはトンネルなんて物はないから、別のどこかだね。単に脱線か、いや、真っ暗過ぎるしそれも無いか」 コウヤは冷静に外の景色を見ながら現状を把握しようとしている。 改めて僕も外を見る。 永遠に広がる暗闇。 以上、それ以外に思うことなんてない。 「線路上でもないのに揺れない、平衡感覚もそのまま、電線も無いのに何故か車内の電気は着いていて、停電になることもなさそう。外の暗闇も黒一色」 コウヤは淡々と事実を述べていく。 そしてコウヤは僕らにしか聞こえない声でこう言った。 「これってマズイ状況だよね、ハハハハ!」 おいこら、何笑ってやがるイケメン。 「私達どうなるんだろう?」 と、隣で美奈子は不安そうにソワソワしてる。 他の乗客は未だに思考が追い付いていないのか呆然と窓に顔を張り付けて外を見ている。 「まぁ、この空間にいても電車には何ら影響が無いわけだし、そう考えるなら訳もわからず死ぬことはないんじゃないかな?」 言い方は良く言ってるが要するに 「それは死ぬことも視野に入れておいても良いってことだよな?」 「お、俺から言わせないでくれよ。まぁ、概ね覚悟しといたほうが良いかもね」 僕の隣で美奈子が涙目で そんなぁ、と言っている。
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