たどり着いたのは見知らぬ土地

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僕の幼なじみことコウヤ様はイケメンである。 美男子である。 性格もイケメンである。 肉体美でもある。 もう総合的に輝いている。 コイツと出会ったヤツは皆突っ込みを入れる。 [イ、イケメンだ!!]と。 男女問わずである。 コウヤは新体操をしている。 成績はかなりいいと聞く。 全国大会に出場出来るほどの実力がある。 が、コイツは実際は出場していないのである。 全国大会の出場間際、あろうことかその当日会場の裏で喧嘩したのである。 あ、コウヤの名誉のために言っとくと、喧嘩の理由は私的な物でなく、寧ろ仲裁しようとしたところ元々喧嘩してた選手の二人がコウヤに逆切れしてしまった事による事故なのである。 そしてコウヤはイケメンである。 イケメンとは何か? 顔が良いこと? 成績が良いこと? 運動が出来ること? 社交性が優れていること? 喧嘩が強いこと? 努力を惜しまないこと? 事故犠牲を惜しまないこと? まぁ、どれもこれもイケメンの要素にはなるが残念ながらコウヤは違う。 あぁ、基本スペックは確かにコウヤにかなうやつは中々居ない。 だって僕自信見たことないから。 答えはそんな表面上で計れるものでない、と僕はコウヤから学んだ。 いや、本人に聞いた訳ではないので明確な答えは知らない。 が、コウヤことイケメンに対しての考察はこうだ。 己の使い方を本能的に理解している。 そう言うヤツをイケメンだと俺はコウヤから学んだ。 まぁ、ソレが事故犠牲に繋がる事は勿論ある。 へっ、イケメン何てくそくらえ!というヤツ。 正論だ。 コイツらイケメンは生まれながらにして自分の使い方を理解している。 勿論彼らイケメンは努力だってしてるだろう。 が、努力の仕方も自分の使い方を理解しているので、その努力は当然報われる方向に物事を進める。 僕らは努力し、努力は成功へと行かず失敗へ向かい徒労で終わり、それが悔しくて悔しくて嫌だと感じ、成長していく。 彼らはソレが無いのだ。
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