たどり着いたのは見知らぬ土地

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だから、というか敢えて言うなら人生の経験値が強くてニューゲーム状態なのだ。 あぁ、こんな言い方してるけど別にコウヤを嫌いな訳ではないよ? 僕は寧ろ尊敬してるくらいだし。 こんなひねくれた考えを持っていても認めざるおえない。 コウヤがイケメンであるということを。 まぁ、これ以上僕の言葉で彼のイメージのクオリティーを無駄に上げてしまうのも如何な物かと思うので一旦止めよう。 話を戻すとコウヤは喧嘩に勝ってしまったのだ。 否、敢えて勝ったのだ。 全国大会の事を考えれば手を出すとか考えられない、と誰もが思うかも知れない。 実際大人しくかわし続ければコウヤは晴れて全国大会に出ていただろう。 敢えて勝った理由、それはコウヤが喧嘩を止めるさいに指を痛めてしまったからである。 全国大会前に指が腫れてしまい、パフォーマンスに多大な影響が出るであろうケガ。 そこでコウヤは理解した。 あぁ全国大会では全力を出せない、と。 その時、僕としては理解しがたいことにコウヤは二人が問題の渦中であるのにも関わらず、責任を一人で背負い出場停止の方向に自分を進めた。 本人いわく、[全力が出せない僕より二人のほうが出る資格があるよ]らしい。 その時俺は思った。 きっと他にも理由が有るのだろう、と。 その理由は余りにも幼稚で、いいわけじみてて、コウヤにしては違和感しか感じないセリフだと思った。 僕はそれ以来その件をコウヤに追及するのは止めた。
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