第7章

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「どこを見てたの?目の前にいたくせに」 赤い唇が からかうように笑う。 まいった。 まただ。 またやられた。 「……君に見とれていたんだよ」 君のその甘美な唇に 二つとない美しい輪郭に 目元の可愛らしい小さなほくろに。 「ウララ!直に征司お兄様がお帰りになるよ――」 それで僕は また騙された。
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