第一章:とんでもない学生

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名前を言われて、慌てて意識を覚醒させる。 危ない危ない! もしバレたら拳が飛んでくるかもしれない。 唯衣は学校の制服姿で食堂にやってきた。 洗いたての髪から漂うシャンプーの香りが鼻腔をくすぐった。 「ちゃんと確認してよ。いくら幼馴染って言ったって、限度があるわよ限度が」 「ごめん」 『ほら、文句言わない。脚太いんですから』 「太くないわよっ!」 また、口論を始めた。 「どうして制服なんだ?」 俺は無理やり話題を逸らし、二人の言い合いを中断させる。 「だって、家に入れなかったから、服がないんだもん」 あ~そうか。着る服がないのか。 「なら、俺のジャージ使えよ」 「うん……」 唯衣は膝をこすり合わせて、もじもじしだした。 「あ、あのね……。私、淳一にお願いがあるんだけど……」 こうも恥ずかしそうにされると、こっちまで緊張してしまう。 「な、なんだ?」 まさか、父さんの言ってた男女の揃ってやるやつじゃ……。 唯衣は耳まで真っ赤にして――
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