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「なに?」
「ベッドが一つしかなく、ほかに寝るところがない」
「そ、それって、私と淳一の二人でベッドに寝なきゃいけないってこと!?」
眠気を吹っ飛ばすように、再び顔が真っ赤に染まる。
「いや、さすがにそれは。俺は食堂で適当に寝るから、お前はベッド使えよ」
俺は手を振って、部屋から退室しようとした。
何かに袖を掴まれて、進めなくなる。
「いいわよ一緒で。ここは淳一の家なわけだし。あんたは仕事で疲れてるんだから……別に、いいわよ……」
「疲れてないからいいよ。気にするな」
「私が気にするの! 私がいいっていってるからいいの」
強引に手を引っ張られてベッドに誘導された。
食堂に眠ってた方がいろいろと助かるのだが……。
理性的な意味で。
「へ、へんなことはしないでよね!!」
それは、食堂で寝かせてくれるんなら保証できるんだが。
「ああ。わかった」
俺は内心そう思いつつ、ベッドに潜り込んだ。
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