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「ああ。わかった」
淳一に牽制したら、あっさり返事をされた。
なんか、ムカつく。
少しは女の子として見てくれたって……。
淳一がベッドに潜り込むので、私も一緒に中に入る。
「ベッド……小さいのね」
「一人用だからな」
ベッドの面積が小さいために、私は淳一と体をよせて寝る格好になってしまった。
淳一の匂いがする……。
久しぶりにこんなに近くに感じた。
最近はあんまりご飯とか一緒に食べてなかったし。
「なんかこうしてると、昔のこととか思い出さない?」
「昔のこと」
「ほら、よく皆でごっこあそびしてたじゃない」
「ああ。王子様がお姫様を助けにいくやつか」
「そう、それそれ! あのときは楽しかったよね。あとは魔女役と兵士役で真香(まなか)と椎良(しいら)がいたよね」
「俺は大変だったよ。俺が王子様役で、お前がお姫様役なのに、助けにこいって命令してくるし。お姫様役を巡って、唯衣と真香が喧嘩するから」
淳一に昔の痛いところを突かれて、恥ずかしさがこみ上げてくる。
「なんであんなにお姫様にこだわったんだ?」
「だって王子様がお姫様を助けに行くのって、素敵じゃない? 私。ああいうの大好きだから」
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