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「乙女だな」
「うるさいわよ」
どこか懐かしさを感じながら、話し続けると、私は今まで聞けなかったことをきこうと思った。
「ねぇ。なんで淳一は強襲兵になったの?」
「…………」
淳一は答えてくれない。
もしかしたら、話したくないのかもしれない。
でも、これだけははっきりしておきたい。
「私は、危ないことはやってほしくないの。それに私、もしかして淳一は昔のこ
とを気にしてるんじゃないかと思って」
「…………」
淳一は未だ口を開かない。
穏やかな呼吸音が聞こえてくるだけ。
「ねぇ? 淳一答えて――」
私は淳一の顔が見えるように、顔を上げた
「……寝てるわ」
淳一は穏やかな寝息を立てて熟睡している。
「なんか、真剣に話してた自分が馬鹿に思えてくるわ……」
私は呆れながら、寝ることにした。
「馬鹿」
そう言って、淳一の胸に顔を埋める。
今夜はよく眠れそうだ。
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