第一章:とんでもない学生

4/37
前へ
/76ページ
次へ
照りつく太陽の光を反射する海が煌いて、自然の美しさが一面に広がっている。 「綺麗だなぁ」 海を見渡すと、七時の方向に小さな漁船が見えた。 船員たちは、口を開けて呆気にとられている。 「おはようございます!」 手を振る。 漁船の船員たちも、手を振ってくれた。 多少ぎこちないのが、少し引っかかる。 まあ、潜水艦がいきなり浮上したらびっくりするか。 俺は艦体を撫でた。 俺の家にして移動手段の潜水艦。 全長235m誇る超巨大な潜水艦。仕事をする時にアメリカ海軍に渡された代物 だ。 普通はこんなものは渡されないのだが、俺の父さんがこの潜水艦の建造を手伝ったため、特別に許された。 「ネブラスカ。横須賀港に向かってくれ」 『明後日でいいですか?』 艦内に響き渡る声量でいったら、断られた。 学校に遅刻したらどうするつもりだよ。 「バカ言ってないで早くしろ」 『マグロが食べたい気分ですね』 時々こいつを人工知能か疑う時があるぜ。 長く黒い船体をセイル、ミサイル発射管ハッチ……と順に後部へ目を向けると、 艦尾に設置されているエックス型に配置された舵が動き始めた。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加