第1章

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校内に入り、案内されたのは校長室。 待ち受けていた校長と教頭に丁寧な挨拶を受け、席に着いた。 お茶を勧められるも、 「学校内での河内尚美の様子はいかがでしたか?」 口を付けずに質問する。 水死体の名前を告げられた校長は困惑の表情を見せ、 「何故このような事が起こったのか……」 「それは我々が捜査しますから」 必要な事以外は話す気はない、口調でアピールした。 「真面目で優秀、友人も多かったように思われます」 新米刑事と変わらない教頭の答えに、 「そうですか」 興味ない返事を示し、 「少し校内を見回らせて頂いても?」 許可を求めた。 「それは構いませんが…… あまり大袈裟な事にはしないで下さいね」 返事をせずに刑事は立ち上がり、丁寧なお辞儀だけを返した。 「単なる事故なんですよね?」 教頭の張り上げる声が聞こえたのは、扉を閉めた後だった。
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