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元宅は鋭くも冷たい視線を受けながら、学者のような穏やかさで義光の言葉を聞いていた。その一方で、弟の元春や他の郎党らは、
(そうしてやりたい)
と心の中で叫んでいた。
元宅が土佐側につくというので、一緒についているわけで。そうでなければ、隆景と一緒に義光をなぶり殺しにしてやるところだ。
「いえ」
元宅は身を平伏させながら顔を上げて義光を見やった。
「それがしはあくまでも、元親公のために戦います」
目と目が合い。元宅は柔和に微笑んだ。
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