プロローグ

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「くらええええぇ!!!!」 荒廃したビルの中…俺は目の前の化物に力を込めた一撃をお見舞いする。化物は真っ二つに切れると血しぶきをあげながらドンっと地面に崩れ落ちた。 「あっぶねぇ…あと少しでこっちがやられるところだったぜ…」地面に倒れる真っ二つに切れた化物を見ながら俺はすこし安堵の息を漏らした。 その化物は犬のような顔をした2mをゆうに越えるような化物だった。その手に持った鉈のようなものを見ればみるほど背筋がゾクっとする…怖かった…。 手に持った剣をギュッと握り直して、「よしっ」っと気合を入れ直した瞬間だった。 後ろからけたたましい咆哮を放ちながら真横スレスレの地面を先ほど見た鉈がめり込んでいた。…ていうかまだいたのかよ…!?。 化物はさっと鉈を構え直すと振り返り様の俺目掛けて真横に鉈を振りはなったのを寸でのところで身を屈めて避け、隙のおおきい右脇腹目掛けて剣を降ったが相手もギリギリで避ける。 「こいつ…今での奴らと動きが違う!?」今での奴らなら今ので終わってた筈なのに…!そいつの動きは他の奴らと違い明らかに早くそして正確さがあった。 「っくそが!!!!」とにかく次の手を出させないようにしないと!俺は相手の下腹部を狙いすまし剣を横に薙いだ。 しかし、相手はまるで先読みしたかのように軽やかに避ける。 「…かかった!!!」俺はニヤッと笑いつつ薙いだ剣の向きをキュッと変え斜め上目掛けて思い切り振り上げる…決まった!!! 相手はさすがにこれには予想外だったのか胸に一撃くらったのを驚いた様子で見ていた。 「見たか!化け物!!俺をただの猪突猛進なだけのバカだと思うなよ!!!」俺は間髪入れずに更に剣に力を込めそのまま叩きつけるように斬りおろす!直後、前方から凄まじい量の血が溢れ出す。 「…ぺっ!ぺっ!…うげぇ…血まみれだよ…」かかってきた血を払いながら俺は、真っ二つに切り裂いた死体を見やった。 …明らかに動きがおかしかった…。この手の化物は鈍重な動きの筈なのに……。そんな疑問だけがとにかく引っかかっていた。 「まあ…兎にも角にも、帰ってからだな!」振り返り、んっ~と背伸びをしながら歩き出した。
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