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「ちょい待ちなさいよ…!」その時ふと前方から人影がこちらに向かって歩いてきていた。
「おおっ!風夏!どした?そっちも終わったのか?」俺はようやく姿が分かるくらいに近づいてきた相手に向かって声をかける。
「おお!風夏!…じゃないわよ!あんたまた単独で動いてたでしょ!?こっから先は単独禁止ってあんだけ言ったのに!」俺が風夏と呼んでるその子は鬼のような形相で怒鳴りつけてくる…。
気のつよそうな、それでいて綺麗な顔に夕立を思わせるような少し赤みがかった髪をサイドテールに結った特徴的なこの子は夕凪風夏、俺の幼馴染であり生まれた頃からの腐れ縁である 。性格は至って凶暴だが…。
「太陽、あんた今私の性格を凶暴だって…思ったでしょ?」…うそ訂正、まあ気の強くて真の通った性格をしている。
ちなみにさっき太陽と呼ばれていたのは、俺のことである。
ちなみにそんな俺の名前は大葉太陽、濃いオレンジのツンツンした髪型がトレードマークの…ごく普通の男の子だ。
「…ていうかいいだろ!討伐は万事OKだろ?結果オーライじゃん!」と俺が言うと
「はぁ!?なに腑抜けたことぬかしてんの?!あんたが勝手なことすると同じチームであるあたし達が怒られんの!幼馴染のよしみとかないからね!怒られるのあんただけに、して欲しいわ本当に!」と言い返すのに対し
「はぁ!?なんで怒られるんだよ!功績残してんじゃんか!!!」と言うと…ていうのがエンドレスに続く…てか俺悪くねぇし!
「はいはい、いつもの夫婦漫才はそこまでにしてくれ…みてて不愉快だ…」悪態をつきながら歩いてきたその子は俺たちの間に立つと俺の手を掴みぐっと引き寄せてきた。
「妬いてしまうだろうが…」とクールな笑みを浮かべるこの子は、雪白斬雪、透き通った水色のような白髪のロングヘアーに眼帯という特殊な出で立ちの少女で代々由緒正しいことで有名な家柄である雪白家の侍女である。…まあ性格はクールなように見えて策略的…かと思えば天然というよくわからない…だが極度の寒がりというのが彼女の特徴である。
「…で…そろそろ離れましょうや…雪白さん」俺がそういうと、パッと手を離しニコッと笑うその姿はさしずめ女神のような……とは思えず…こいつも生まれた頃からの腐れ縁で幼なじみである。
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