【ファーストミッション】

2/31
前へ
/173ページ
次へ
軽快な音楽を奏でながら、ひかるの携帯が鳴り響く。 ひかるが目覚まし代わりに鳴っていた携帯の音楽を止めると、机の上から男の声が聞こえる。 『おはよう、ひかる。よく眠れたようだね』 いつもの状況と違うひかるは、ビックリして飛び起きてしまった。 しかし、昨夜のことを思い出し、冷静になる。 「そうだった・・・キキか・・・おはよう、キキ」 いつも寝起きの良いひかるは、すぐにカーテンと窓を開け、新鮮な空気を吸い込む。 数十秒ほど朝日と新鮮な空気を浴びたひかるは、窓を閉め、ベッドに座りなおした。 「キキ、私どうしたらいいの?」 これからの事を不安に思い、そして何をして良いか解らず、ポツリと呟いた。 『とにかく、依頼を熟(こな)すことだ。 私がサポートする。心配は無用だ』 キキは立ち上がり、丸い黄色い目を光らせながら答えた。 「そんなこと言っても、どうやって解る訳? 常にキキを連れて歩くわけにもいかないでしょう?」 ひかるは、今日も大学がある。 いくら小さなロボットと言っても、座った状態でも20cmほどの高さがあるのだ。
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加