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私は、咄嗟に適当に検索されたサイトのリンクをクリックした。
そこには、昔流行った特撮ヒーローのグッズ懸賞の応募サイトだった。
「な、なんでもありませんから・・・」
私は、バツが悪そうに顔を赤らめ、言い訳に翻弄する。
『なになにぃ?ひかるちゃん、特撮ヒーローものに興味がある訳?』
寄って来た一人が画面を見ながら、新たな私の一面を見つけた風にちょっかいを出してきた。
「い、いえ。興味がある訳では無いんですが・・・
お、お父さんが、このフィギアを持ってて、たまたま見ていただけなんですぅ」
『ふーん・・・』
苦しい言い訳だった。
「ありがとう高中君。お返しするね」
私は、焦りながら見ていたサイトを閉じて、高中君に席を明け渡した。
あーもう。慣れないと声に出ちゃうじゃない。
私は、心の中で文句を言った。
その時、数人の携帯にアラーム音が鳴り響く。
同時に、キキの声が聞こえた。
『ひかる、出動だ。近くの銀行が強盗に襲われた。警察が到着したが、犯人は立て籠もったらしい』
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