1唱

7/99
前へ
/247ページ
次へ
別にブスとかでは無い。 一般的には、チヤホヤされる容姿だろうね。 だが… 性格も顔に出るってね。 その蔑んだ目。 自分が容姿が優れて上なんだってね。 態度にも出てるから、もう最悪。 ま、ガン無視だけどね。 それが気に入らない様なんだ。 知らないよ、本当に。 品川で降りてくれたから、ホッとしたよ。 2度と会いたく無いタイプだね。 さてと。 そろそろ、降りる準備だね。 荷物を纏め、忘れ物が無いかチェック。 そうそう。 忘れ物チェックと言えば… 学校の同じクラスに変人がね。 クラスメートで同じ電車。 だから一緒に帰ってるんだけど… 忘れ物調べって、変な習性がね。 いや、忘れ物が無いかを確認するのは良い事だよ。 うん。 ただ… 同じ場所を1時間以上確認しなければね。 無理やり連れ出して帰ろうとしたら… 隙を突いて教室へね。 あんな変人が居るなんて… 高校になって、世の中の広さを知りました。 そんな事を思いながら降りる準備を終える。 新幹線はホームへは着いて無いんだ。 なのに降りる人が通路に並んでるんだよね。 いや、次は終点の東京ですよ。 慌てて降りる必要は無いんだけど… 日本の習性かなぁ。 面白いね。 無論、僕はのんびりと降りたよ。 ホームから降りて在来線へ。 今日はホテルを予約してるんだ。 3日ほど、ホテル住まいさ。 実は叔母さんが出張中でね。 帰って来るのが3日後さ。 その間に東京見物ってね。 在来線で移動してビジネスホテルへチェックイン。 学割がある珍しいビジネスホテルさ。 学生に優しいってね。 コレも経営戦略らしいね。 学生もいずれは社会人。 学生の頃から慣れ親しんだホテル。 勝手も分かり、全国に。 そうなれば、出張などで扱い易くなるよね。 それを狙った、長期計画だって。 気が長い話だよね。 そんなホテルだけど、サービスは行き届いているよ。 だから、サラリーマンの姿も多いね。 チェックインしたから部屋へ。 お金は最低限だけ持つ。 予備のお金は服裾に縫い込んであるんだ。 普通はバレないよ。 この容姿になってから、良く絡まれるからね。 だけどね。 ある程度は筋力は残ってるんだよ。 そして身体が重い。 僕の張り手は、なかなのもんなんだぜ。 不良を何人か気絶させた経験がありますから。
/247ページ

最初のコメントを投稿しよう!

500人が本棚に入れています
本棚に追加