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「じゃ」
短い別れの言葉を呟いてパンプスに足を通していると、「ほんとスゲェな」と大輔が笑った。
「何が?」
突然の言葉に大輔を振り返ると、すぐ傍まで大輔の顔が近づいて来ていた。
「ちょっ、コラ」
咄嗟に大輔の顔を押しのけ、睨みつける。
「キスはしないでって、何度言えばわかるの」
「固いこと言うなよ」
肩をすくめて体勢を元に戻す大輔。
行為の際にキスはしない――それがあたしと大輔がこういう関係になった時の約束だった。
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