1杯目

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健人くんが高校を卒業してすぐだったと思う。 ――あたしが健人くんに告白されたのは。 『もう桜さんのこと、幼なじみのお姉さんとは思えない……。桜さんが好きです!俺と……付き合ってください』 頬を染めて一生懸命に告白する健人くんに、あたしは、応えることが出来なかった。 『ごめんね、健人くん。あたし……好きな人がいる。もう付き合ってるの。それにあたし……健人くんのこと、そういう風には考えられない。ごめんなさい』 当時、あたしには柾紀という彼氏がいた。 好きで仕方がなくて、やっとの思いで告白して付き合えた彼氏が。
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