0杯目

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――あれは何かの間違いだった。 あたしも彼も、きっとどうかしていたのだ。 だけど。 「桜さんっ、……桜さん」 愛おしそうな声で名前を呼ばれるたび、頭がおかしくなりそうなの。 あたしには心に決めた人がいる。 そう何度言い聞かせても、彼を求める自分の欲深さがそれを上回る。 あぁ、どうして。 どうしてあたしは彼の誘いを断らなかったんだろう――……?
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