1.5杯目

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***** その光景が、今でも鮮明に思い出せる。 その、はずなのに。 「ん、桜さん……。大丈、夫?」 ベッドに横たわるあたしの髪をゆっくりとすきながら、顔を覗き込んでくる健人くん。 「……う、ん。なんとか」 はぁ、と身体にこもる熱を吐息に混ぜて外に逃しつつ、彼の胸に顔を埋める。 「明日…何時ごろ、帰る?」 「……」 そんなあたしを抱きしめて髪に顔を埋め、健人くんがそのまま話をする。
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