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自分の口からこんな。
誰かを求めるような、自分の欲望に忠実な言葉が自然と出るなんて。
「…いいよ」
あたしの言葉を聞いた健人くんは勝気な笑みを浮かべると、あたしの唇を優しく啄んだ。
次第に息が上がってきて、身体が熱くなって来る。
……こんな感覚、今まで知らなかった。
息苦しいほど愛おしくて、愛おしいほど悲しくなる。
表現し難いこの感情は、柾紀といる時は感じない。
健人くんと、いる時だけなの。
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