1.5杯目

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自分の口からこんな。 誰かを求めるような、自分の欲望に忠実な言葉が自然と出るなんて。 「…いいよ」 あたしの言葉を聞いた健人くんは勝気な笑みを浮かべると、あたしの唇を優しく啄んだ。 次第に息が上がってきて、身体が熱くなって来る。 ……こんな感覚、今まで知らなかった。 息苦しいほど愛おしくて、愛おしいほど悲しくなる。 表現し難いこの感情は、柾紀といる時は感じない。 健人くんと、いる時だけなの。
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