1.5杯目

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無性に泣きたくなって彼に背を向けると、しなやかで長い指があたしの肌を伝う。 くすぐったさに息を飲めば、くすり、笑い声が降って来る。 「感じた?」 「ばっ……!」 得意げな笑みを浮かべる健人くんを振り返れば、チュッと音を立ててキスされる。 「俺に背中なんか向けるから、だよ」 「んっ…」 敏感なところに刺激を受けながら、背中に噛みつかれる。 それだけあたしの息と体温は、熱を上げる。 加えて。 「あ……っ!」 背中を舌が這えばもうあたしの思考は健人くんのものだ。
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