350人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
「んっ、大輔っ、も、きてっ……」
「はいはい」
朦朧とする意識の中、あたしが彼の名前を呼ぶと、彼の手があたしの腰を掴んで大きく揺らす。
あたしの好きなところへの的確な愛撫も忘れない彼は、本当に手慣れてるなと、ぼんやりする頭で思う。
「ん、あ、あ、あっ……」
近づく絶頂、何も考えられない。
なのに。
『桜さん……っ』
もう顔を見ることもない端正な顔が頭に浮かんで、あたしの名前を呼ぶ。
あぁ、もう、なんでいつも出て来るかな。
「(あ、健人くん……っ)」
声にならない声で記憶の中の男の子の名前を呼んで、あたしは果てた。
最初のコメントを投稿しよう!