1杯目

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絶頂を迎える瞬間に必ずフラッシュバックする、彼の声。 ――健人くんの、声。 「(なんで……っ)」 また健人くんの声が聞こえそうになって、小さく頭を振る。 どうして。 どうして、忘れようとすればするほど、上書きしようとすればするほど。 健人くんがあたしの頭から離れない。 愛おしそうにあたしの名前を呼んで、愛おしそうにあたしに触れる健人くんの姿が大輔に乗り移って。 あたしを絶頂へと導くのだ。
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