3人が本棚に入れています
本棚に追加
「先日の舞踏会にて、王子はあなたを伴侶として迎えることを望みました。
我々は、王子の命にて貴女を迎えに来たのです」
「私が歓迎されていると言える?」
「それは・・・。
しかし貴女様も、楽しそうに踊ってらしたではないですか!
王子に見初められたのですぞ? 何をためらうことがありますか」
「馬鹿ね。あれは演技よ。私は頼まれたエキストラ役を完璧にこなしただけ。
いい夢が見れたでしょ?」
ひらひらと手を振り、それ以上は話すこともないと、テントの奥に消えていったという。
その後、交渉して靴を買い上げ、実はここにもう片方があるなんてわかったら……
なんとかして王子には、諦めてもらわなければならない。
彼女が見つからなかったと言って納得しないなら……
すでに結婚していた?
いや、それは無理がある。
舞踏会に招待されたのは、未婚の娘たち。
いずれにしても、オレも彼女に直接会う必要がある、か。
休暇とは名ばかりの、気の進まない任務に頭を悩ませて、レオンバルトは城を出た。
最初のコメントを投稿しよう!