2. レオンバルトの憂鬱

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「先日の舞踏会にて、王子はあなたを伴侶として迎えることを望みました。 我々は、王子の命にて貴女を迎えに来たのです」 「私が歓迎されていると言える?」 「それは・・・。 しかし貴女様も、楽しそうに踊ってらしたではないですか! 王子に見初められたのですぞ? 何をためらうことがありますか」 「馬鹿ね。あれは演技よ。私は頼まれたエキストラ役を完璧にこなしただけ。 いい夢が見れたでしょ?」 ひらひらと手を振り、それ以上は話すこともないと、テントの奥に消えていったという。 その後、交渉して靴を買い上げ、実はここにもう片方があるなんてわかったら…… なんとかして王子には、諦めてもらわなければならない。 彼女が見つからなかったと言って納得しないなら…… すでに結婚していた? いや、それは無理がある。 舞踏会に招待されたのは、未婚の娘たち。 いずれにしても、オレも彼女に直接会う必要がある、か。 休暇とは名ばかりの、気の進まない任務に頭を悩ませて、レオンバルトは城を出た。
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