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「なぜ?」
「ここは、いろんな人が集まる場所だから。
人が集まれば、自然と噂が耳にはいるの。わかるでしょ?」
意味ありげに、デレラはレオンバルトを見上げた。
「どんな噂があるのか、興味深いですね」
デレラは再び歌いだす。
「太陽の王子に、月の従者
対なる輝きは、世界を照らす
アメジストは月に微笑み
太陽には、背を向けた」
「だれが、そんなことを?」
「やだ、そんな怖い顔しないでよ。いい男が台無しよ」
唇を弧にして、妖艶に笑うデレラ。
「ね、ところで、取引したいことがあるんだけど。
いい加減、仕事の邪魔っていうか、鬱陶しいの。あなたたち。
きっぱり王子に伝えてくれない? 迷惑ですって。
あなたなら、それを言える立場にいるはず」
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