2. レオンバルトの憂鬱

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「なぜ?」 「ここは、いろんな人が集まる場所だから。 人が集まれば、自然と噂が耳にはいるの。わかるでしょ?」 意味ありげに、デレラはレオンバルトを見上げた。 「どんな噂があるのか、興味深いですね」 デレラは再び歌いだす。 「太陽の王子に、月の従者 対なる輝きは、世界を照らす アメジストは月に微笑み 太陽には、背を向けた」 「だれが、そんなことを?」 「やだ、そんな怖い顔しないでよ。いい男が台無しよ」 唇を弧にして、妖艶に笑うデレラ。 「ね、ところで、取引したいことがあるんだけど。 いい加減、仕事の邪魔っていうか、鬱陶しいの。あなたたち。 きっぱり王子に伝えてくれない? 迷惑ですって。 あなたなら、それを言える立場にいるはず」
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