2. レオンバルトの憂鬱

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「こんな下賎な女一人のために、足を運ぶのも本当は嫌でしょう? ここ、けっこう実入りがいいから、もう少し稼いでから移動したくて。 それまでの我慢とも思ったけど」 「私が申し上げても、納得しないと思います。 かといって、直接あなたと接触することで、余計執着されても困ります」 「じゃあ、ショーを見に来てもらえば? 貴賓席なんて上等な席は用意できないけれど、あの夜の姫は、幻想だったってわかってもらえればいいだけだし」 あごに手を当て、レオンは考え込む。 はたして、あの状態の王子に、彼女を会わせて良いものかどうか、と。 「少し、考える時間をください」 「かまわないわよ。だけど早くしてね。 けっこう限界だから」 睨むような視線をレオンにおくると、デレラはテントに戻っていった。 その後ろ姿を見送りながら、ため息を落とす。 どっちにしても、面倒なことに変わりはない、か。
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