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◇
「お帰り、レオン」
屋敷で出迎えた人物の姿を見て、レオンバルトは目を丸くする。
「何でいるんですか?」
「彼女が見つかったって聞いたから。
お前、報告書止めてただろ」
王子にじとっと見つめ返されて、レオンは目を逸らしてしまった。
それは、肯定の意味を持つ。
「で、会ってきたんだろ?」
さすがに、言い訳もできないと観念したレオンバルトは頷く。
「彼女は、なんと言っていた?」
「ショーを、観に来てほしいと」
「それだけか?」
「あの夜、貴方と踊った姫は、幻想でしかないとも」
「彼女は……。いや、私自ら迎えにいくべきであった。
ショーの手配と、彼女に直接面会する段取りをしてくれ。
王子としてではなく、だぞ」
念を押す。
「しかし、それでは警護が疎かになります!」
レオンは反論を試みる。
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