2. レオンバルトの憂鬱

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     ◇ 「お帰り、レオン」 屋敷で出迎えた人物の姿を見て、レオンバルトは目を丸くする。 「何でいるんですか?」 「彼女が見つかったって聞いたから。    お前、報告書止めてただろ」 王子にじとっと見つめ返されて、レオンは目を逸らしてしまった。 それは、肯定の意味を持つ。 「で、会ってきたんだろ?」 さすがに、言い訳もできないと観念したレオンバルトは頷く。 「彼女は、なんと言っていた?」 「ショーを、観に来てほしいと」 「それだけか?」 「あの夜、貴方と踊った姫は、幻想でしかないとも」 「彼女は……。いや、私自ら迎えにいくべきであった。 ショーの手配と、彼女に直接面会する段取りをしてくれ。 王子としてではなく、だぞ」 念を押す。 「しかし、それでは警護が疎かになります!」 レオンは反論を試みる。
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