2. レオンバルトの憂鬱

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「いや、実は城を出てきたんだ。 父上と母上からは、反対されてしまって。 まだここまでは、話が伝わっていないようだが・・・ 見つかるのも時間の問題だろう」 「私は、王子を唆した罪で捕まるのは御免です」 「だから、急いでくれ」 にっこり笑った王子に、反論する気力もなく。 レオンバルトは、しぶしぶながらも、指示通りに手配を済ませた。 一度でも会えば、あの女の毒に嫌気が差して、諦めてくれるかもしれない。 あの舞踏会の夜、王子と仲むつまじく踊っていた、清楚で気高い姫とは大違いだった。 あれが素だとするならば、とんでもない演技力だぞ? 王子はだまされたようなものだな。 あとで、城のほうにも連絡を入れておかなければ。 レオンバルトは、どこが休暇だと毒づきながら、あれこれ忙しく働いた。
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