1. 王子の憂鬱

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「仕方ありませんね」 「レオンならそう言ってくれると思ったよ。引き受けてくれてありがとう!!!」 喜びを隠そうともせず、王子はレオンバルトに飛びつく。 レオンバルトはそれを邪険に払うと、冷たく言い放つ。 「探してはみますが、必ず見つけるというお約束はできませんからね。それと・・・」 「すぐに侍女を呼びますので、ガラスにお手を触れないように」 未練がましく靴に手を伸ばそうとしていた王子は固まる。 「だって・・・」 情けなくこちらを見上げる王子。 「全く・・・。それはただの靴! 彼女ではありません。大事なお手を痛めてしまったら・・・」 「レオン、そんな心配まで・・・」 感激に瞳を潤ませる王子。 「・・・誰が私がいない間の、決済処理を行うんでしょうか?」 一気に顔を青ざめた。 「いや、ほら、お前が帰ってきたときに、まとめて・・・」 「帰らないかもしれないですよ?」 「・・・そうだな。もうすぐ彼女に会えると思えば」 王子は、ガラスの破片を見つめながら、現実逃避に入った。 「頼んだぞ・・・」
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