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「仕方ありませんね」
「レオンならそう言ってくれると思ったよ。引き受けてくれてありがとう!!!」
喜びを隠そうともせず、王子はレオンバルトに飛びつく。
レオンバルトはそれを邪険に払うと、冷たく言い放つ。
「探してはみますが、必ず見つけるというお約束はできませんからね。それと・・・」
「すぐに侍女を呼びますので、ガラスにお手を触れないように」
未練がましく靴に手を伸ばそうとしていた王子は固まる。
「だって・・・」
情けなくこちらを見上げる王子。
「全く・・・。それはただの靴! 彼女ではありません。大事なお手を痛めてしまったら・・・」
「レオン、そんな心配まで・・・」
感激に瞳を潤ませる王子。
「・・・誰が私がいない間の、決済処理を行うんでしょうか?」
一気に顔を青ざめた。
「いや、ほら、お前が帰ってきたときに、まとめて・・・」
「帰らないかもしれないですよ?」
「・・・そうだな。もうすぐ彼女に会えると思えば」
王子は、ガラスの破片を見つめながら、現実逃避に入った。
「頼んだぞ・・・」
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