10人が本棚に入れています
本棚に追加
「お客様も喫煙席ご希望ですか?」
「はい」
ヒロミが返事をすると、店員の女の子の視線が今度は私に戻ってくる。
「お客様・・えっと、ただいま混雑しておりまして、喫煙席が1テーブルしか空いてないんです・・。その、お知り合いでしたら相席お願いできませんか?」
困ったように私、ヒロミ、と順番に視線を動かす店員の女の子。
私は思わずため息をはいた。
「2人で大丈夫です・・・」
「あ、ありがとうございます!ご案内いたします!」
笑顔に戻った店員の女の子が歩き出し、そのあとをついていく私。
その私の後をヒロミが歩いている。
奥のほうにある喫煙席は確かに混雑していた。今日は土曜日だから混んでてあたりまえか・・・。
案内されたテーブルに座ると、目の前にヒロミも座る。
私はすぐにメニューを開いてヒロミの視線から逃げる。
でも、ヒロミが私を見ていることはメニュー越しでもわかる。
最初のコメントを投稿しよう!