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「そうそう、エイジくん。はい、これ」
近くの喫茶店に入り、コーヒーを2つ注文をした後、ユキミは、そう言ってエイジに小さな紙袋を渡した。
それを、エイジは明るい顔で受け取る。
「わお、やった!いつもありがとね、ユキミちゃん。これは?」
そう言いながら、エイジは紙袋を閉じていたテープを切った。
中をのぞいて、散歩前の犬のようにはしゃぐ。
その様子を、ユキミはにこやかに見つめていた。
「わ、ニクソンの時計!ねぇ、つけていい?」
「もちろん」
鼻歌を歌いながら箱を開け、腕に巻くと、エイジはにかっと笑った。
それを見て、ユキミも思わず微笑み返す。
服をはじめ、鞄、靴、コンタクトまでも、すべて、エイジが今身に着けているものは、ユキミがプレゼントしたものだった。
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