第1章

4/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
「禍玉。その子は?」 「小太郎じゃ。迷子になっておった。」 「でかした。禍玉。坊が居なくなってから、腹が減ってきた。」 「喰わせんぞ。喰わせんぞ!荒牛!大事な坊じゃ!」 「何を言う禍玉。大事な坊を、一番旨そうに喰ってたのは、われやないけ。」 「やめろー!」 小太郎はびっくりして、逃げ出した。 「待て!坊!」 「捕まえろ!禍玉!」 小太郎は急いで逃げた。 禍玉が追ってくる。 「喰わん!喰わんから待て!」 小太郎は逃げた。 走ってるうちに、禍玉は、気持ち悪くなってきた。 嘔吐。 小さな子供の手が、口から出てくる。 「坊ーー!」 稲光がなった! 禍玉は、坊の手を拾うと、暗い夜道をとぼとぼと帰った。 終わり。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!