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「禍玉。その子は?」
「小太郎じゃ。迷子になっておった。」
「でかした。禍玉。坊が居なくなってから、腹が減ってきた。」
「喰わせんぞ。喰わせんぞ!荒牛!大事な坊じゃ!」
「何を言う禍玉。大事な坊を、一番旨そうに喰ってたのは、われやないけ。」
「やめろー!」
小太郎はびっくりして、逃げ出した。
「待て!坊!」
「捕まえろ!禍玉!」
小太郎は急いで逃げた。
禍玉が追ってくる。
「喰わん!喰わんから待て!」
小太郎は逃げた。
走ってるうちに、禍玉は、気持ち悪くなってきた。
嘔吐。
小さな子供の手が、口から出てくる。
「坊ーー!」
稲光がなった!
禍玉は、坊の手を拾うと、暗い夜道をとぼとぼと帰った。
終わり。
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