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大きな音に、周囲の生徒は馬鹿にしたような笑みを浮かべて僕を見たけど、先生は違った。
「凄いですね!皆さん!勘違いをしてはいけませんよ!今のは、彼の魔力の密度が非常に高かった事の証明なのですよ。
決して、魔法を失敗したとか魔力のコントロールが悪いとかそう言った事ではありませんよ?
むしろ、真逆ですね。最高に良い状態で彼は魔法を放ってます。
素晴らしいですよ。エラール君!」
僕は、困惑して頬を染て俯いてしまった。
同時に嫉妬の視線が増えたのも感じた。
ああ。面倒だ。全くもう。
先生は、頑張りなさいと、声をかけて別の生徒の所に移動した。
直ぐに、横に居た生徒が声を掛けて来た。
「お前!凄いな!俺はバーン。火属性なんだ!宜しくな!」
そう言って笑顔で手を差し出してきたバーン。
悪意はなさそうだね。
僕は頷いて手を出して握手をした。
「僕は、エラールだよ。宜しくね」
僕の言葉に嬉しそうにバーンは笑った。
そして、言う。
「なあ。今、先生が密度が高いって言ったろ?あれって、どうやったんだ?教えて貰えるか?」
「ああ。そんな事?良いよ。僕は魔力量があんまり多くなかったから、効率良く使おうって思ったらこの訓練しか無かったんだ。
で、こうして出来るようになったから、少しの魔力で魔法を放てるんだよ」
僕の言葉に感心した様子でバーンが言った。
「へえ。凄えなあ。お前、魔力量が少ないのか。んじゃ、大変じゃんか。増やすの」
僕は心配そうに言って来るバーンに、何と無く罪悪感を持ちながら答える。
「まあ、そうだけどね。でも、今迄何とかなってたし。これからも大丈夫だと思うよ」
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