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保健室に着くと椅子に座らせられ、辺りを漁る少年。
「待ってて。すぐに……湿布でいいんだっけ?」
自信なさげに言うなら何故連れてきたと思った蒼葉だが、はっきり言うのも気が引けるので座っていた椅子から立ち上がる。
「大丈夫だよ。歩けないって程でもないし、入学式……はもう間に合わないか」
壁に掛かる時計の針は入学式開始の時間をとっくに過ぎていた。ならば、ここでサボっていた方が楽である。
幸いにも怪我をしたという大義名分があるので、堂々と休めるわけだ。
「えっと……、今更だけど僕 神木 龍斗(かみき りゅうと)って言うんだ。龍斗って呼んでね!よろしく!」
明るい笑顔の神木に戸惑いながらも、夕霧は自己紹介を返す。
「え、あ、あー。夕霧 蒼葉です。ここまで運んでくれてありがとうございます………」
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