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俺は伏せ込んだ身体をゆっくりと起こす。
「君は?誰、この携帯は何?」
俺は質問を続ける。
「私の名前は遥(ハルカ)。この携帯は人類の希望、らしいわ」
「・・・人類の希望?」
俺は彼女を見る。
彼女もまた俺のことを真っ直ぐに見ていた。
「あなたも選ばれた一人だから、教えて上げるわ」
「・・・・」
「この携帯は世界の何人かまでは分からないけど、配られている。
私たちはこの携帯はデバイスと呼んでる。デバイスが生まれた理由
それはさっきも見たと思うけど
あのロボット、人工知能を搭載したヒューマノイドから世界を守る為の唯一の切り札とされているわ」
彼女は俺の目の前でスマートフォンを操作するとデバイスを展開してみせた。
彼女の手には細剣が握られていた。
「ねぇ、あなたはこの力をどう使いたい?
今まで自分を傷付けた者への復讐鬼になる?
それとも私欲の為に悪となる?
それとも」
俺は・・・
「分からない」
その言葉だけが出た。
「分からない、か」
彼女は少しだけ落胆したような表情をするがすぐに俺に手を差し伸べる。
俺は無意識に彼女の差し伸べる手を掴んでいた。
これが俺と彼女の初めての出逢い。
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