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半年前
俺は遥と名乗った少女に連れられてある施設に来ていた。
施設は東京都のスカイツリーから少し離れたビルの一角の地下にあった。
遥は施設の入り口扉のパスワードを入力する。
すると、小さな電子音と共に扉は開かれた。
俺は思わず唾を飲み込む。
遥は「クスリッ」と笑う。
「大丈夫。緊張しなくても、別に取って喰おうなんて思ってないし」
遥がそういうと施設の電気が突然、付いた。
「ただいま」
遥は施設の奥に向かって言うと誰かが出てきた。
白衣を身に纏った綺麗なお姉さんだ。
「遥ちゃん。お帰り、疲れたでしょ?」
白衣を着た彼女は帰ってきた遥を労う。
「アンナさん。ただいま」
遥は白衣を着た彼女をアンナと呼ぶ。
そのアンナはすぐに俺に気付いた。
「あなたは?」
「えっ?ああ、あの、俺」
アンナは俺に近付くとまるで品定めするように俺の身体を見る。
脅える俺に助け船を出したのは遥だった。
「アンナさん。彼は今日の任務中に遭遇しまして、彼も選ばれた一人です。
彼は力に関して何も知らないビギナーだったんでココに連れてきました」
脅えて説明出来ない俺に代わり、遥が全てをアンナに伝えてくれた。
アンナは「なるほど、ね」と言うと俺の胸に人差し指を当てる。
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