第1話

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205号室の隣の部屋、つまり206号室のドアは開いていて、 引っ越しの真っ最中。 自分のカギの札を見る。 206号室。 そう書いてある。 何かの間違いか?そう思い、 不動産会社に電話を入れる。 「あの、 今日からマンションに入居する小川ですけど、 私の契約したお部屋は206号室でいいんですよね?」 「はいそうですよー。 どうかしました?」 「いや、 違う方が引っ越ししてるんですが?」 「え?そんなはずはありません。 ちょっと待ってて下さい。 家主さんに電話してみますから。 それと、 お手数ですけど今引っ越ししてる人に声かけてみてください。 」 「あ、 わかりました。」 私はおそるおそる206号室の玄関先で声をかけた。 「すみませーん、 ちょっとよろしいですか?」 「はーい」 中から女性の声が聞こえた。
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